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現場で見聞きしたことから考えた美術館の仕事

アートフェス

新潟近代美術館で開催されている会田誠展について、以下は美術館HPよりコピペ

会期中イベント いずれも当館講堂にて/入場無料
 

■映画鑑賞会① 会田誠第1回監督作品「The Natives @ Ogi Island」 
9月12日(土)・19日(土) 午後1時/午後3時より
9月20日(日)〜23日(水)・10月18日(日) 午前11時/午後2時より

■映画鑑賞会② 「続・美術のみかた 抽象に至る道-主題から形式へ」
10月3日(土) 午後2時/午後3時より
印象派以降の近代絵画は、何を描くのかではなく、いかに描くのか形式(フォルム)を重視する方向へと展開していく。絵画の現実はどのようにして作られていくのかを、作家と作品を追いながら考えていきます。

会田誠氏のお話 
9月26日(土)/10月17日(土) 午後2時より

 
■美術鑑賞講座 「シミュレーショニズム再考〜ベトナム戦争から会田誠まで」  
10月10日(土) 午後2時より     
講師:藤田裕彦(当館学芸課長)
・1980年代後半を席巻した「シミュレーショニズム」に焦点をあてながら、原点としてのコンセプチュアルアート、その流れを汲む会田誠村上隆などの日本現代美術までを紹介します。          

◇ 当館外でのイベント
長岡造形大学大学祭 会田誠講演会 
9月20日(日) 午後1時〜2時30分

 

 

ここで、話のコシをボキリと折りまして、美術展のお客さんのこと。

 

この会田誠展の展示室出口にロビーがありまして、展示を見終えた人が休憩していました。そこで見聞きしたことが

経済的にも時間的にも余裕がありそうなマダム集団

「、、、あの、カラスとかサラリーマンの絵はちょっとねえ、、、まぁ、描き上げる努力はすごいわよねえ、、、。」

「ねえ、、、あの、、ゴキブリとかねえ、、。」

中高生らしき子どもふたりと夫婦で、中学生らしき女の子

「、、、子どもの時の絵とかさぁ、、、。」

「みるものがなかったよねぇ、、、。」

 

売店での会話

老夫婦とその娘

娘「図録って、見本しかないの?」

私「販売は10月になってからのようですよ」

娘「ここに住んでない人はどうしたらいいの?」

私「これ(2013年の森美術館での図録)は販売しているみたいですよ」

娘「それは持ってるぅ」

 

美術館敷地内の喫茶コーナーでの従業員マダムとの会話

マダム「会田さんの展示みたの?」

私「はい、見ごたえあるから、見るべきですよ」

マダム「会田さん、ここにコーヒー飲みに来るのだけれど、本人が描く女の子と顔が似ている。(美男子だということが言いたいのだと思う、たぶん)」

わたし「そ、そうなんですね。今度見てみます。」

 

と、このようなことがありました。

 

また、展示室で印象的だったお客さんは

10歳くらいの男の子:一人デモマシーンのビデオをじっと見入る、モニターに張り付くように見ていまして。

私「これ、使ってみたいよね」

僕「、、、」(ニヤニヤして立ち去る)

 

乳飲み子を抱っこした若い女性:愛ちゃん盆栽(檜)をみて、引きつった表情。終始無言。

 

5歳くらいの男の子とその母親:灰色の山の前で

僕「これ、なあに?」

母「、、、んー、、なんだろうねぇ」

僕「これ、じしん?」

母「、、、、」(立ち去る)

 

そのほかに、話をしたり、聴けたりした人以外で印象的だったことは

敬老の日」は老夫婦+中年の組み合わせ多し。近隣住民と思われる夫婦連れ、カップル多い。一人客はおしゃれな人が多い。付け加えると、美術館のスタッフ、美人が多い。

と、いったところです。

 

ここで、お話しを本道に戻して「公立美術館での現代美術展の意味」

これらの人々はお客さんの一部だと思いますが、おおざっぱに言って地方都市での「現代美術展」のお客さんは

①(地元の)美術館には親しんでいるけれど、現代美術にはあまり触れたことがない

②現代美術ファン、作家個人のファン

のふたつだと思いました。

その上で美術館としては①の人の数を増やすことと「新しいジャンル=現代美術」の認知度を上げること、が仕事になるのではないかと考えました。

今回の企画展はイベントの組み方や展示作品への「ヒント」解説など「現代美術に親しんでもらう」ための工夫をしています。この工夫はとても良かったです。こういうやり方はスタンダードなのでしょうか?とても良いと思いました。

 

んが、この工夫、すでに美術館に来る人で「現代美術はよくわからん」人にはとても有効ですが、「美術館に来る人」を増やすにはまた別の工夫が必要だと感じました。

 

そして、その別の工夫とは「激安チケットの販売」だと考えました。

どうやって激安にするかと言えば②の人に高いチケットを買ってもらって、激安チケットの補填をしてもらう、というのはどうでしょうか?

高いチケットは「会期チケット(再入場できる)」にして2,500円程度

激安チケットは500円(ワンコイン)くらいかな?それくらいなら「ついでに見るかのお客さん」も引き込めるかもしれません。

現行の入場料1,000円との差額から一人の美術ファンが3人の「美術館って、、、なに?」の人に機会提供をすると考えることもできるでしょう。

 

まあ、上記の料金設定は民間の施設では当たり前に行われていることですよね、ディズニーランドの並ばなくてよいチケットとか、、、違うかな?

 

このようなことを公共の施設で行うために変えなくてはならないことのひとつが

「公平・平等」とはどのようなことか?

だと思いました。

 

現在の一律料金システムは

同じサービス・価値を受け取るには同じ料金を払ってください、という、まあ、スゴク真っ当な言い分があります。

しかし、このシステムの欠点は「その料金が払えない人」はサービス・価値にアプローチする手段がありません。

ここで、美術館などのサービスの特質を考えてみると、お客さんの観察、美術館の工夫などからすると

サービス・価値の半分は受け取る側が決めていること、だと思いました。

つまりそれぞれの階層(おそらく経済階層と多少の関連があります)で受け取る価値が違っているのです。

このような前提があるならば、「公平・平等」の概念は

「それぞれの階層に応じた負担(料金)でそれなりのサービス・価値にアプローチできる」

に変えていくべきだと思いました。

この考え方は社会に格差や階層があることを前提としているので、大変かんじわるい、と思いますが、見る側の選択肢を増やす、社会の多様性を認める、にはひとつ考えてみてもよい方法だと思います。

 

まあ、こんなことを考えました。