日本国内で解決すること自体が無理ゲーなんじゃないですか?

はっきり「地方都市同士の地域間競争なのですよ」と言ってくれたら、分かりやすいのに、この言い方だと、いくら考えても無理ゲーとしか思えないのです。

日本創成会議

こういう団体がリリースしている政策(提案)なのですが

http://www.policycouncil.jp/pdf/prop03/prop03.pdf

「ストップ少子化・地方元気戦略」

と、タイトルがついていますが、ここで「無理ゲー」でしょ、と思っているのは東京一極集中を緩和し、少子化傾向を改善する、という方法。

つまり、若年人口の流れを地方→東京の現状を変えて、その結果少子化を改善しましょう、という論旨。東京への流出を防ぐために地方の魅力を構築しましょう、という流れです。

 

これ、地方都市に住んでいるみなさん、実感としてこういうことが「できる」と感じますでしょうか?

 

東京と競争して勝てる気がしますか?特に労働市場で。また、消費市場で。

おまけに、大量の移民受け入れは現実的な解決策にはなりません、と結論づけています。さらに、少子化の対策として伝統的な結婚・出産・子育て環境への投資を呼びかけています。「結婚・出産・子育て」のフルセットの価値が大暴落していること自体は全く問題にされていません。

東京と競争して張り切っちゃう地方ってどのくらいあるんでしょうか?

大阪府とか愛知県くらいですかね?

 

ふーん、結局、なにを解決したいのかがよくわからなくなります。

ひとりの人として求められていることが、女性に対しては

若いうちに結婚し出産し、働きながら子育てもして欲しい。それが大多数になって欲しい。という要求であり

男性に対して求められるのは

子育てへの協力、企業人としての出産・子育てへの制度対応、といったところでしょうか。

これね、女性全般に対して「無理ゲー」をしてください、と言っているように感じます。

ですが、なにが無理ゲーなのか、についてはここでは追求しません。

 

問題は、少子化対策を改善するために地方の魅力を増してください、という注文に対して、地方が打てる対策として提案されていることが、ほとんど規制だらけ、と言ってよい方法なのです。

 

つまり、地方の課題は「自分の地方の魅力化」なのですが、そのために移民制度の導入や既婚・未婚をとわない出産数の増加を狙う施策などの他の地方との違いを大きくするための方法は進められていません。

 

日本は南北に長く、四季折々の自然の美しさとそれを元にした食べ物の豊かさがあります。それに応じて、その土地土地での人の生き方も多様であってもおかしくありません。

つまり、日本全国で子どもは若いうちに産んで育てるべきだ、という方法をとるのでは若い女性にはがんがん稼いで欲しい仕事がたくさんある地方(若い女性が価値を持つ市場ってあるでしょ?)では、その若い女性に無理ゲーをさせる(矛盾する要求をする)事になると思います。

 

少子化問題を解決する上で変えられない条件は

「子供を産むのは女性だけ」

という事実です。これはしばらくの間変えることはできないでしょう。

 

で、あるならば、その他の要素についてはその地域地域で最適値を考えていくのが地域の魅力化(個性化)であり、健全な地域間競争になると思います。

 

投資が先か規制緩和が先かでは「規制緩和が先」です。新しいゲームをし始める人を呼び込まなければ「面白い事/イノベーション」は起こりません。

その、新しいゲームを始める人を呼び込むことが魅力化につながるってのは、地方都市で成功しているここをみたからです

www.kanazawa21.jp

地方都市に現代美術館を建設し、新しい人(若者・外国人)を呼び込むことに成功しています。ここから、定住する人もでてくるでしょう。

美術館を開館するにあたってのプロセスは営業が先で建設は後です。地域イベントは美術館建設より先に初めて、地域へプロモーションを行っていたのです。地域での会いされ方が違う、という印象でした。地元客がメイン展示以外の企画展に通っているようでした。なんか、このひと慣れてるなー、という感じの人がチラホラ見えました。また、美術館周辺には「おしゃれな」カフェ、洋服店、小さなギャラリー、など美術館効果と思われる商売も成立しているようです。

 

金沢市の場合は緩やかに地域住民のプロファイルを変えていくでしょう。そして将来的にはその住民にフィットした制度改革が求められていくのだと考えています。

 

で、これから「地方の魅力」を考える上で、その魅力を誰に認めてもらうのかが今までは「東京」だったと思うのですが、その「東京」にあたるモノをその地方地方で選ぶべきだと思ったのです。

 

「地方の魅力」で「少子化を改善」するためには、どのような「結婚・出産・子育て」を魅力とするか、その地方ごとに選択と集中を行う事はできると思うのです。

 

その、選択と集中を地方で決める前に、「移民は現実的でない」や「結婚・出産・子育てのフルセットで行うべき」という価値観の選定は、事実上の(市場)規制でしょう。

 

市場でプレイヤーになる人は限定しておいて(日本人のみ)プレイヤーになる方法も決めている(結婚・出産・子育てのリニアなルート主体)、本当に弱い立場の人に無理ゲーをさせるよなー、と、思います。

 

日本創成会議の提案に欠けている視点は人口が増えた時代に日本はどのような状態だったのか?という視点です。

人口減少の原因として地方都市から都市・東京への人口流出だ、という分析は正しいかもしれません。

提案される解決方法から「ワクワクするような未来」が想像できないのです。

この政策提案をつくったメンバーをみてみるとほとんどが大学教授です。大学人らしく、新しい理念を掲げた次世代の日本の姿を前提とした、企業や政治の人が考えない「理念型の少子化対策」を考えてもらいたいモノです。だって、大学に期待していることって、そういう普通の人がは考え続けない面倒な問題をしつこく考えてくれること、でしょう?ちがうの?

 

ま、最終的に言いたいことはタイトル通りだし、若い人はこれを真に受けて自分の進路を変えたりしないように、日本、移民も含めて人口コントロールに関する政府方針はヘタ打ちまくり、ですから。

みな、自分の好きな場所で生きるのだよ。

 

では、またねー。