奇妙な人生の人々の記録

備忘録です。

上半期に見た映画の記録です。配信で見ました。

 音楽映画としてとても楽しい映画でした。私が印象的だったのは「この時代のアメリカのマイノリティーがどう生きたか」という部分。アメリカの歴史に興味がある人も楽しめると思いました。こちらについては、すでに書いたので、割愛。

 

 この映画で「伝記映画」ってのに味をしめまして、調子に乗ってみたのが次の映画です。

 この人のことを「言わずと知れた」で紹介できるのはもう40歳代の人になるのでしょうか?

EU離脱で話題のイギリス保守党の党首で首相でもあったマーガレット・サッチャーの伝記映画です。

マーガレット(以下、面倒なので「マギー」と表記します)がまだ学生だった第二次世界大戦中から最初の選挙、党首選挙、そして首相へという前半生を夫を亡くし「偉大な前首相」としての後半生を行き来しながらえがいています。

私が印象的だったのはマギーが教育省の大臣時代70年台のロンドンの街の描写にパンクミュージックがかぶせられているシーンです。

あ、パンクの背景って、このとんでもない行きづまり感だったのか、と初めて思い至りました。歴史的な知識としては70年代のイギリスの没落ぶりというものは知ってはいたのですが、映像を見て腑に落ちた。

ここから、パンクが商業的な成功は収めずとも社会に一定の受容をされたことと、マギーの「労働の現場に戻りなさい」という国民をスパンクするような政策が成功したのは無関係ではないはず。っていうことを考えました。

もう一つ「公の場で働くということはこういうことなのか」とわかるのが党首選に出るマギーに選挙参謀達が「君の中身(政策)は変えなくていい、話を聞いてもらえるように外見を変えるべきだ」とのアドバイスをもとに、話し方や服装(帽子をかぶるのをやめる)、振る舞いを変える訓練をするところ。

 

 次はイギリスの対岸にある「おフランス」でございます。

小説家のフランソワーズ・サガンの18歳から亡くなるまでのストーリーです。若くして出版した小説がベストセラーになり、名声とお金とを得る波乱万丈な人生が描かれています。

 サガンの波乱万丈ぶりで、とっても驚いたことが2度目の結婚で一人息子が生まれるのですが、この夫、ゲイです。その後離婚し、元夫とその恋人(男)とサガンと息子と暮らし始めます。途中からサガンのパートナーである服飾デザイナー(女性)とも一緒に住み始め、もう、何が何だかの状況になるのです。

このような、ひっちゃかめっちゃかな生活をしつつも、サガン本人はずっと傷つきやすい少女の部分を持ったままなのが映画の中で示されていました。小説の批判にはすごく傷つきやすいし、ファンからの「あなたのファンです」という言葉にも、自分の小説が望むような受け入れられ方をしていないことに神経質な反応をしてしまいます。

衣装は、やはりお洒落でした。金髪碧眼にヒョウ柄という組み合わせが、いかに人をエレガントに見せるかも堪能できましたし、映画の中でも新しくエージェントと契約するなどの勝負服として登場していました。サガンの秘書役はブルネットなのですが、役柄がサガンを崇拝している設定で、やはり色違いのヒョウ柄のブラウスをダサくきていたのが印象的。

その他には、サガンがコカイン所持で逮捕されるときの犬も使い方も印象的でした。事実を基にしているかは不明ですが、フランス人てこういう場面をファニーに撮影するのだな、と面白く感じました。これは見てのお楽しみ!

 

 生きている人の場合は「伝記」じゃなくてドキュメンタリー映画になるのかな?

こちらはパッケージで購入しました。パッケージ内容はボニューム多いです。

 内容はディスコグラフィーに沿って、ライブバンドとしての変化・成長を「N.O.」という曲を軸に描いています。人物に焦点を合わせると、何者でもなかった、少年と言ってよいほど若いふたりが25年間の間に、なんといったらいいのでしょうか、、、「偉大な奇人」になっていく物語でした。

主役のふたりのインタビューは一切なく、関係者の話と過去のライブ映像、PV映像でヒストリーを語っていきます。

この中で私が注目したのは、レコード会社の社長さんのインタビューで

デビュー時の「なにこれ?」、VITAMINの時の「なんだこれ?」、VOXXX「聞いた時は狂気だと思った」という発言です。このタイミングでスタイルが変わっていて、周りの反応は「困惑」だったのかな、と思いました。

 J-POPの時の「電気グルーヴが職業になった」というのは、わかりやすかった。小説家が「文体を獲得する」とか「声・トーンを見つける」というふうに評価を受けるのと同じように、方法論を確立した時期がこの時期なのだ、と感じました。

全体を通して、このバンドってインプットが変わるとアウトプットも変化していくタイプなのだということを思いました。あと、アウトプットの洗練ぶりとパーソナリティーはさほど連動しないってのはよくわかりました。

 

今年は出歩いている時間が多く、また、配信でテレビドラマを見るようになったので映画はあまり見ていない。

 

伝記映画が作られる人ってのは、やはり自分の能力なり魅力なりを常にプレゼンテーションしなければならない職業の人たちで、下手なフィクションよりも、もっと奇妙な現実を生きた人たちなんだ、きっと。

 

またねー