観光客の哲学、読書メモ1

4月になって、日差しは夏になりかけている。

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月初めに届いた雑誌、ゲンロンの刊行記念のネット放送があるってことだったので、大慌てで読み切るべく、ベランダで足の日焼けをしながらページをのろのろとめくりました。刊行記念放送で何かしら言いたい、参加したい一心で読みきりました。このきっかけがなければ、通読できなかったと思う。

以下は自分用の読書メモです。私なりのまとめなので、ようやくではない。誤読あり〼

「観光客の哲学」東浩紀

1章:観光

ナショナリズムの高揚が行き着いた果てに2度の大戦の大量死を経験し、ヨーロッパがたどり着いた共通の倫理が「共同体の外部を尊重しよう」「他者を大切にする」というもの

・本書が書かれた背景がブリグジットとトランプのアメリカやテロ、ヘイトスピーチがおおっぴらに行われる世界であること

・大量の観光客ってのは現代になって初めて起きている現象である。

・観光客とは政治と文学のどちらの領域にもおらず、またどちらにも存在するものの名称(?)

 

2章:政治とその外部

政治思想史の人間観の変遷。引用される哲学者、その著作のどれ一つとして読んだことがない、が読み進めるぶんには問題ない。引用される人物と「その著作」

ルソー、ヴォルテールカンディード」、イマヌエル・カント「永遠平和のために」、カール・シュミットヘーゲルを延長したもの?)友敵理論、あんな・ハーレント

人が線的に発展してく、家族→市民→国民、線的モデルは今日の状況では機能しない

 

3章:二層構造

国民国家のモデル以外で普遍的価値を手に入れるとしたらどのような方法がありうるか?という問い

・帝国で表されるグローバリズム、経済的つながり、国民国家同士の関係であるナショナリズム、政治的なつながり、それぞれに割り当てられて、同時に成立している。

マルチチュード=抵抗する人を評価するときに今の時点でまともに使える言葉

・機能させるにはマルチチュードの考えに幾らか変更必要だ

 

4章:郵便的マルチチュード

・ネットワーク理論の概念であるスモールワールド、スケールフリーのイメージをそれぞれナショナリズムグローバリズムに援用し、その間にいる観光客の空間を定義したい

・スモールワールドを説明する用語として「つなぎかえ」「近道」、スケールフリーを説明する用語として「成長」「優先的選択」

・「つなぎかえ」はある確率で無作為に選んだ接続先につなぎかえるという作業で、その結果ネットワークの「近道」が生まれる

・スケールフリーの「優先的選択」につなぎかえの機能を持ちこみたい→誤配?

 

第2部:家族の哲学(序論)

・新しい人間像である「観光客」の拠り所となる新しいアイデンティティーの一つの候補としての家族

ナショナリストやりバタリアリズムを乗り越える、普遍性にかけるリベラリズムための人間像

・他者に対して、私たちと同じようにではなくよくわからない不気味なもの(家族の中の新生児)として接する。

・子供として死ぬだけでなく親としても生きろ

 

付論:二次創作

・観光客は現実の二次創作、にはものすごく腹落ちした。

観光客が来ることはとてもいいことと思うけれど、時々、彼らはなんでこんなことに喜んでいるのだろう?という違和感があった。二次創作だと言われたら、別の文脈で楽しんでいるのだ、と思えばすごく納得。

再帰性という言葉の意味がわかった。他人の評価がとても力を持つ。

 

以上、メモおわり、疲れた。

 

読んでみて

今の社会状況がつまりどういうことになっているんだ?っていう認識がすごく整理された。特に3章のナショナリズムグローバリズムの共存の状態と4章のネットワーク理論のイメージを使ったナショナリズムグローバリズムの作る人間関係のモデルの説明には納得できた。

家族の哲学の7章、面白い。小説ってこんな風にも読めるんだ!

扉の写真はどれも素敵、好きなのは1章、4章、7章の写真。

他者への寛容さを支える哲学がリベラリズム

 

疑問

より多くの人が他者に対して不寛容にならざるをえない時って、どのような状況下?

 

あー、もう眠い。

またねー